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ケーブルテレビの「時代劇専門チャンネル」を見ていると前にも書いた。局を挙げての看板番組で制作費もふんだんに使っているであろう大型作品などを見ているとセットが実に見事である。商売柄、秀吉や家康が背にしている襖に自然に目が行く。「大奥」も然り。いつの間にか襖絵や御殿引き手はおろか、本床の間の地袋の数まで数えている自分が可笑しくなる。
利休が登場すればその茶室の障子、タイコ貼襖、腰貼の仕様と、ドラマの筋書きも含めて忙しい限りである。
もちろん経師屋を「なりわい」として40年近くなるのでその技芸に目を見張るということもあるのだが、あの江戸城の幅広の襖の張替仕事を請けたら当分の間食っていけそうだなどとさもしいことも考えたりしている。しかし、本当に引き合いが来てもさあ、やれるかどうか問題だ。旗本屋敷、あるいは大名屋敷位の襖、障子の仕事でも充分すぎるか・・・。(笑)
洋風化のあおりで和室が年々減っていく。一昔前のように暮れだからといって張替の注文が引きも切らないというような様はなくなった。テレビの番組を見てそろばんをはじいても仕方が無い。しかし、現在やっている襖とは単価が天と地ほどの開きがあるなぁ・・・などとまたため息が出る。
しかし仮に仕事を請けたとしてもあの太閤秀吉のことだちょっとでも気に入らなければ即刻打ち首か!クワバラ、クワバラ、今の仕事で満足しよう。こうなったら数で勝負だ!!!
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