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我が家の看板娘「チー」の母親の「ピー」が死んでちょうど3週間が経った。明後日は彼岸の入りでもある。我が愛する「ピー」を偲んでまずは馴れ初めなど・・・。
季節は初夏、5月頃だった。一日の仕事を終えて作業台の上で請求書を作っていたときだ。作業場の入口でなにやらやかましい声がする。そのときは「何だかギャアギャアうるさいなぁ・・・。」と思っただけだった。しかし鳴き声がだんだん大きくなるので初めて入口に目をやった。そこで「彼女」と目が合ったのだ。
自慢じゃないがあまり鳥のことは詳しくない。ただ鳥だということだけはわかった。(汗)次に自分のとった行動は素早かった!急いで作業場の戸を閉めて隣の店にいるカミさんを大声で呼んだ。「なあに?」やってきたカミさんは自分の頭を見てたまげていた。そのとき「彼女」は自分の頭に飛び移っていたのだ。
鳥の種類はセキセイインコ。推定4ヶ月ぐらい。どこかの家で飼われていたのが何かの拍子に逃げ出してしまったのだろう。かなり人に馴れている。時間も午後8時頃ですでに真っ暗だ。戸が開いていて明るかった我が家に自然と誘われて入り込んだのだろう。
カミさんはかなりいろいろな鳥と付き合ってきている。独身時代セキセイインコを30羽近くまでふやしたこともあったらしい。自分は先にも言ったとおり全くの未経験者だ。この日、この時から5年間。本当に楽しい付き合いをさせてもらった。
すべてが新鮮な驚きと戸惑いと喜びと心配と・・・そして最後は悲しみであった。前の飼い主が上手に仕込んでいたのだろう、部屋中を旋回したあとに必ず自分の差し出す手に止まってくれた。
そんな「彼女」の最期も自分の手の中であった。出来すぎだと思えるくらい見事な・・・飼い主である自分の性格を推し量ったような死であった。<続く>